KAIZEN TECH BLOG

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【メール制作者は必見】「検証対象環境」を無駄なく決める5つの手順

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こんにちは、玉子です。
メール改善の場でよく質問されるのが「検証対象環境」の選定方法。
メールの検証って時間がかかるんですよね。以前、50環境も見ている企業様もいらっしゃいましたよ。すごい。。。
ということで今日は、無駄なく必要な「検証対象環境」を決める際の5つの手順をお教えします!
「検証対象環境」を見直して、制作工数の改善を試みてはいかがでしょう?

手順は全部で5つ

1)ざっくり主要環境を決める

まずは、「シェア」の多そうなメールソフトやアプリをざっくり決めましょう。おそらく肌感覚的に「主要なメール環境はこれだ」というのがあると思います。
私は以下の環境を「主要5環境」として必ず対象に入れていますので参考にどうぞ。

  1. Gmail(PC)
  2. Y!メール(PC)
  3. iOSメールアプリ(スマホ
  4. AndroidGmailアプリ(スマホ
  5. Android標準メールアプリ(スマホ

2)サイトアクセス状況から上位OSを調べる

対象サイトにアクセスしているユーザーの上位OSを調べます。
たとえば、mac OSのアクセスがほとんどないのに、mac OS上のメールソフトを検証・補正してカバーするのは時間がもったいないですよね?

3)国内のOSシェアを調べる

シェア調査サイト(※)などで、国内の上位OSシェアの「推移」を確認します。特にiOSなどはOSがアップデートされると急に推移が入れ替わります。
また、今は上位でも推移が下がっているようであれば、対象から外すことも視野に入れておきましょう。
(※)私はシェア調査サイトはStatcounterを使ってます
gs.statcounter.com

4)クライアントが使ってるメールソフトを追加

クライアントがテスト配信の確認をする場合、社用PCやご自身のスマホなどで確認することがほとんどだと思います。必ずどんな環境で確認をされるのかを確認しておきましょう。OSも可能であれば先方に合わせた方がより安心ですね。特に「最終承認者」が使用されているメールソフトやアプリは要注意!配信直前の最終確認で「俺のスマホだと崩れてるぞ!」となるとつらいですよ(経験者)。

5)メーラーのシェア情報を元に最終決定

シェア情報(※)などを元に、フォローすべき、あるいは外すべき検証環境をクライアントと検討しましょう。「BtoC」「BtoB」でもシェアは変わってきます。BtoBだと「Office Outlookのシェアが上位になります。誰に送るのか、何のために送るのかなども含めて検討しましょう。

(※)メールソフトのシェア情報は少ないのでチーターデジタル社の情報などはありがたいですね。
www.marketinggate.jp

検証対象環境を決める際の注意点

100%の環境を保証できないことを理解してもらおう

みなさんは職場や自宅、あるいはスマホで何のメールソフトやアプリを使ってますか?世界にはたくさんのメールソフトがあります。それらをすべて検証することは不可能ですよね。検証対象環境を決める際はクライアントに必ずこのことをご理解いただきましょう。

崩れの許容レベルをすり合わせよう

メールで大切なのは「崩れないこと」ではありません。「必要な人に必要な情報を必要なタイミングで伝え、期待通りのアクションへ促すこと」です。いくら時間をかけて「崩れない」「美しい」メールを作っても、費用対効果に見合わない工数を消費していては意味がありません。あらかじめ「崩れの許容レベル」をすり合わせておきましょう。

崩れた場合を想定したフォロー対策を考えよう

崩れてしまった場合でも情報が伝えられるような「フォロー対策」を用意しておくことの方が先述の費用対効果的にも現実的だと思います。一般的なのはメールをウェブページとしてアップロードしておき、表示崩れをする場合にご覧いただけるようにすることです。MAツールなどではこれを自動で生成してくれる優れものもありますね。
もっとも、メール設計の段階でそもそも崩れるような難しい作りや凝った作りにしなければ良いのです。

検証環境は定期的に見直そう

いまだにWindowsXPなどのデフォルトメーラーOutlook Express」を対象にしていませんか?時代はどんどん変わっていきます。「新OSの発表のタイミングで見直す」など、ルールを決めて見直しをしましょう!

配信対象者にキャリアアドレスが含まれる場合は要注意!

キャリアアドレス(docomo.ne.jp/ezweb.ne.jp/softbank.ne.jpなど)はメール案件をやっていれば御存知の通り、「確認すべき端末が非常に複雑」になります。キャリアアドレスが送信対象に入る場合は、送る「メール形式」自体も「HTML形式」なのか「テキスト形式」なのか「デコメ形式」なのかを考える必要があります。これについては追って別記事で書かせていただきます。

この記事を書いた人

玉子:KAIZENディレクター

ガラケー全盛期からメールマガジン配信に関するコンセプト見直しや運用方法改善、配信効果向上に向けたデザイン、ライティング、タイミング等のアドバイスを行なっている。また、PCおよびモバイルメールマガジンの専任技術者として、これまで約1万通のメールマガジンの企画・制作・配信代行・分析を行ってきたほか、企業向けのメールマーケティング講義も行っている。